061-080 タイトル
080 地震
079 綱渡りの棒
078 偶然の層
077 始まり
076 ずるさ
075 百面相
074 ハラヘッタ
073 月曜の昼下がり
072 死因
071 弁護人
070 ばったり
069 解凍
068 やさしいひと
067 恋心
066 道程
065 二種類
064 大切な人たちへ
063 春夏秋冬
062 落ち葉
061 パンギンゼブラ
本編
080 地震 |
ユラユラゆれる あたしの心 フラフラしちゃう あたしの体 S波が来たのに P波が来ない ヘラヘラしてる あたしの心 イライラしちゃう あたしの頭 ふるえてたのは 世界じゃなくて 半分浮いてる あたしだけ |
079 綱渡りの棒 |
見られている それを常に意識せよ 見えている 見られている 見せている 見せないでいる 全ての自分を漠然と意識せよ 揺れるのだ 私の一歩ごとに おさまるのを待って 次の一歩は また揺れるのだ 下を見てはならぬ それ以上進めなくなるからだ よく分からぬ ワライがこみあげてくる 上を見てもならぬ それ以上進めなくなるからだ 何もかもが バカらしくなる 一本の棒を持って進め その長さ 短さ 重さ 軽さ 全てを適当にして 前方をぼんやりと見つめ 同じように歩む者を見つめ 自分を見る者を見よ さあ ごろうじよ これが私の歩み方でござい |
078 偶然の層 |
偶然も重なれば必然になるなんて そんな奢った考えはないから 震える背中を ただ守りたいと思うことくらい許して 僕のこの手は 君のために空けているわけじゃないけど 軽く押しただけで飛んでいきそうな 君を支えることくらいは たぶんできるはずだから だけど独り言でさえ こんなこと口に出せないのは 自覚して止められなくなるのが嫌だから そして口に出すつもりもないのは 傷付くのがこわいからじゃなくて 君を困らせたくないから |
077 始まり |
何気なく外を見ていたら 雨が降り始めた そこにあるのは始まりの音 少し嬉しくなるのは いつもは気付かず始まっているから いろんなことが それは自分の気持ちすらそうで 酷いときは終わりに向かっているのかどうかさえ わからない 強くなる雨の音を聴きながら こうして始まりを大切に思うのは これからを大切にしたいから と いつか来る終わりを覚悟しておくため |
076 ずるさ |
「好き」という言葉を こんなにたやすく言えてしまう そんな自分をずるいと思う そのずるさを自分に許してしまった |
075 百面相 |
平気な顔をする練習 |
074 ハラヘッタ |
オカシイナ ハライッパイタベタノニ ココロガイッパイニナラナイ |
073 月曜の昼下がり |
いまはとっても 月曜の昼下がりで ひゃっくりが止まらないときのように 少し不安で 少し楽しくて ぼくは 寒くてくしゃみをしたけれど ぼくは 眠くてあくびをしたけれど うたたねするのももったいなくて 雨の音を聴いていた |
072 死因 |
僕の内側に 狂気があるんだったら 誰にも 僕にも 気付かれないうちに 殺して下さい |
071 弁護人 |
こころの中の出来事を 裁くのが自分だとしたら それに対しても 黙秘権を行使する僕は 情状酌量の余地なし だけど こんなことを考えてる時点で 既に自己弁護 |
070 ばったり |
約束もしてないのに 誰かとばったり会うのって ちょっとドキドキ なぜかちょっと恥ずかしかったりして 変な感じ だけど いつも僕のほうが先に見つけるのは キョロキョロと 誰かを探さずにいられないから? |
069 解凍 |
溶けていく 夜の寒さに 凍らせていた 想いが 悪くなった肉のように 赤い汁が滲む |
068 やさしいひと |
彼は言う 「自分は何てやさしくないのだろう」と それは見ていて痛々しいくらいで 「もっと何かできたはずだ」と 決して自分を許さない そんなに傷ついてばかりじゃ 壊れちゃうよ やさしすぎる人にとって 生きて行くのはつらいことなのだろうか? そのやさしさのヒトカケラでも自分に向けてくれれば… きっと彼が一番やさしさに飢えている 私が「じゅうぶんだよ」と言っても きっと彼は満足しない 私は彼にやさしい言葉一つかけてあげられない 願わくば こわれそうな彼のやさしさが 強さとなって 誰かの心に残るように |
067 恋心 |
誰かを好きになるって どんな気持ちだっけ どっかに置いてきた? わざと忘れてきた? だけど 探しに戻ろうとは思わない 新しいやつを見つける |
066 道程 |
僕の前に道はない ただ未知があるだけ 僕の後に道はできる そして既知ができる 僕の拠点 帰るべき場所としての 基地がある 自分の陣地である基地から出なければ 分からなくて困ることも 不安になることも 戸惑うことも こわくなる事だってないかもしれないけど 新しく楽しいことに出会うことだってないから 僕は未知を行く |
065 二種類 |
2種類のタバコを かわりばんこに吸ってみる ひとつはあの娘が吸ってたやつ まだ吸いなれない僕は これくらいのことで気持ち悪くなって ほんと バカみたい |
064 大切な人たちへ |
うれしいことがあったとき たのしいことがあったとき 少しでも僕に伝えたいって思ったら おしえてください 悲しいことがあったとき 哀しいことがあったとき もっと僕を頼ってください あなたがつらいと僕もつらいんです 頼りないかもしんないけど 結局何もできないかもしんないけど もっと僕を頼ってください あとからあなたがつらかったことを知るのは とてもつらいんです 例えそれがただの傷の舐め合いになってしまっても 他の誰かに共依存だといわれてしまっても いまの僕たちにそれが必要ならば それでいいと思うんです 僕たちはいまを生きているのだから もし もしも あなたも僕を 大切だと思ってくれているとしたら |
063 春夏秋冬 |
はじめて君を抱いたよる ながい沈黙をただ待つ あまりにも君が好き ふるえる瞳に涙を見ゆ |
062 落ち葉 |
はらはらと 落ちていく 一度 色付いた葉は 二度と 鮮やかになることはなく はらはらと 落ちていく 音もなく 積もっていく 根もとのとこで 光もささず 気まぐれに カサカサとなる はらはらと 落ちていく 音もなく 積もっていく 時折 風に 舞い上がる 違うところといえば 僕のほうは 土に還れない |
061 パンギンゼブラ |
パンダみたいに ペンギンみたいに シマウマみたいに 白黒はっきりしてない なんだかよくわかんない僕は 幻の珍獣 「パンギンゼブラ」 |
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