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 詩・散文 Side-A 141-160 

 141-160 タイトル

160 
159 
158 
157 
156 
155 
154 
153 
152 甘言 1/15←new
151 滑らかに 1/15←new
150 凸凹
149 ぼーっとやーじゅ
148 仔犬の唄
147 機嫌
146 暗がりとテレビ
145 落書き
144 風邪っぴき
143 他人に甘く 自分に厳しく
142 バランスのとりかた
141 バリアフリー

 本編

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152 甘言
ただいっしょにいるときが楽しければそれでいいなんて
そんな甘い考えなんて

だけど甘い言葉を吐くのは得意なので

いまはそれでいい


151 滑らかに
かわいいよ かわいいよ

言葉は重ねるものなのか
積み上げるほど薄っぺらくなるものなのか
それは聞いたあなたが判断すればいい

ただ僕は嘘は言わないよ


150 凸凹
この想いは言い表せないと思いながら
回路を通さず出てきた言葉の中に
伝えたいものがあるのだと
彼女は訴え続ける
彼が望んでいることとは違うと知りつつも

この想いは言い表せないと思うので
ズレた気持ちで形にしてしまうよりぬくもりの中に
伝えたいものがあるのだと
彼は手を握り続ける
彼女が望んでいることとは違うと知りつつも

お互いの穴を埋められるはずが
突出した部分がお互いを突き刺す


149 ぼーっとやーじゅ
ぼーっとする時間はありますか?

寝る前にタバコを吸う時間
それが案外大切なんじゃないかと感じました

この後何をするのかを
頭の中で整理してまとめるのではなく

あとは寝るだけで
そのときに頭にある言葉は

なんでもないようで
いまの自分に大切なようで
やっぱりなんでもないようで

ぼーっとする時間はありますか?


148 仔犬の唄
ずぶぬれ仔犬 一声泣いた
寒い寒いと 一声泣いた
お腹が空いたと 一声泣いた

昼間の空き地の 黒ランドセル
ミルクをくれた 黒ランドセル
頭をなでた 黒ランドセル

もいちど あの子に会いたいな

目も開かずに捨てられた仔犬
母親の顔も知らず ぬくもりの記憶もなく
雨の空き地に捨てられた仔犬
望むことが出来るなら せめて晴れの日に死にたい


ずぶぬれ仔犬 一声泣いた
寒い寒いと 一声泣いた
お腹が空いたと 一声泣いた

今日も空き地に 黒ランドセル
いじわる大人に 手を引かれてく
振り向きながら 手を引かれてく

明日も あの子に会いたいな

雨が上がって降ってきたのは星
ふにゃふにゃのダンボール 明日は乾くだろうか
目も開かずに捨てられた仔犬
小さなまぶたの裏にも 星がキラキラ降ってきた


乾いた仔犬 もう泣かないよ
暑い寒いも もう知らないよ
お腹も空かない もう泣かないよ

今日も空き地に 黒ランドセル
小さなおててで 穴掘り花を
最後になでた 黒ランドセル


147 機嫌
交通ルールの悪い車に遭遇したり
テレビをつけたらちょうどCMだったり

そんなことで機嫌を損ねてしまうことを愚かだと思うけれど

散歩中の犬が寄ってきたり
巻き戻しがぴったりだったり

そんなことで気分よくなれる愚かさを
また 愛しいとも思える


146 暗がりとテレビ
なぜか電気を消してテレビを見たい日がある
そんなときに見たくなるビデオがある 本がある
何度も見ていてセリフもほとんど覚えているのに

それは昔 暗記した 
例えば「となりのトトロ」なんかを観るのとは違っていて
楽しむために見るのではなく 思い出すためだったりするんだろう

前に見たときはどう感じたんだっけ?
何を考えたんだっけ?
今を見ながら前を見る

そして現在の僕はどう感じるのか 考えるのか
目の前の物語は そのスイッチみたいなもので
自分の立ち位置を逆に映し出したいと願う
前を見ながら今を見る

半端なところで消した画面に
眠れもしない いまにも泣きそうな
情けない顔の俺が映ってる


145 落書き
全部書いて 吐き出してしまえばいい
白い紙を前にして 言葉が出ない
何もないのが僕なのか

耐えかねて ぐるぐると鉛筆を走らす
ぐるぐると ぐるぐると

線が重なって 始まりと終わりが見えない
このほうが僕に近い気がする なんとなく

擦れた部分が手に移り 黒くなる

この紙の落書きは消しゴムで消せるけど
僕はそうもいかなくて
この紙は新しいのにできるけど
僕はそうもいかなくて

どうにもならない僕は 仕方がないので空を見上げて
だけど この紙と違って 僕は広がっていける
と 強がって見せる

誰に?

僕に


144 風邪っぴき
具合が悪くなると人恋しくなる
ぬくもりの記憶は時に孤独を感じさせるけれど
それを求めようとすること
つながっていたいという気持ちが
“人”でなく“人間”である証として
独りじゃない安心感をくれる

けれど やっぱり持て余してしまうから
熱もそんなに高くないし 頭もちょっとしか痛くないけれど
「やさしさでももらおうか」と
半分笑いながら 睡眠薬代わりにバファリンを飲んで

寝て忘れてしまおう


143 他人に甘く 自分に厳しく
欠点を見つけるより
ほめる方が難しいと思いませんか?

自分に厳しくしたかったら
まず 自分をほめてみませんか?


142 バランスのとりかた
やりたいことと やりたくないこと
やらないことと やれないこと
できることと できないこと
やらなければいけないことと やってしまうこと

目標と 現実
希望と 能力

バランスをとって倒れないためには
平行ではなく
心もち斜め上に目線を


141 バリアフリー
夢の中の君は
どうして僕を拒絶してくれないの?
そこで感じた温かさに
目覚めた僕は罪悪感を覚える

現実だったらどうだろう?と
仮想してみたけれど
君の周りに張られた薄いバリアと
僕がそういう行動に出るはずもないことを思い直し
すぐに無駄なことだと中止して

起き抜けの一服と共に 胸を掻き毟る




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