うさぎとかめとたぬき |
むかしむかし、あるところにあんまり仲のよくないなかよし3人組がいました。 でも、なんだかんだといってその3人、のんびり屋のかめ、おかまのたぬき、タカビーのウサギはいつも一緒に遊んでいました。 ● ● ● ● ● ● ● ある日のことです。たぬきとかめがなにやら作戦会議をしています。 たぬきは相変わらず大阪のおばちゃんもビックリの厚化粧です。 た:「まーったく、やんなっちゃうわよねぇ、うさぎったら。」 か:「ほーんと。何であんなに威張ってるんだろうね。ちょっと、足が速いからって。」 た:「ほんとよねぇ。ちょっとかわいいからって。」 か:「え?なぁに?」 た:「ちょっとぉ、そこは『何言ってんだよ、たぬちゃんの方がかわいいよ』って言うところでしょう。」 か:「・・・ごめん、僕、うそはつけないんだ。」 た:「まぁ!あなた、そんなんじゃもてないわよ。まあ、いいわ、こうなったら、あのうさぎの奴をちょっと懲らしめてやらない?」 か:「え〜、でも僕、暴力は嫌だなぁ・・・。」 た:「誰がうさぎを殴るって言ったのよ。あたしがそんな野蛮な女の子に見えて?ほーらどこからどう見てもエレガントでしょう。」 か:「う・・・うん・・・。」 た:「あら、なかなかわかってきたようね。だからね、うさぎのあの足を逆手にとって、こうするのよ・・・ごにょ、ごにょ、ごにょ・・・。」 か:「うん、分かった。それならいいかも。うさぎちゃんどんな顔するかなぁ。フフフ」 た:「ほら、分かったらさっさと準備するわよ!」 か:「はーい。」 ● ● ● ● ● ● ● いつもの原っぱで張っていると、予想通りうさぎがやってきました。 う:「あ、かめさんだ。かーめさーん、私と一緒に遊ばない?エヘへ。」 か:「(意味もなく笑ってるよ・・・。)いいよ、何してあそぶ?」 う:「うふふ。かけっこしない?」 か:「えー。またかけっこ〜?」 う:「そうよ。かけっこしましょう。」 か:「だってぇ、僕負けてばっかりなんだもん。」 う:「いいのよ。要するに私が勝って優越感に浸れればいいんだから。私が負けたら意味ないじゃないの。」 か:「ひ、ひどい。」 う:「何よ、私と遊べるだけ光栄だと思いなさい。どうするの!やるの?やらないの?」 か:「はいはい、やりますよ、やりゃーいんでしょ!」 う:「そおぉ?やってくれる?ありがとっ。うふふ。私のために、頑張って走っね。」 か:「(・・・いいぞ。ここまでは作戦どおりだ・・・。)」 ● ● ● ● ● ● ● いつもと同じように丘のふもとの一本杉をゴールに決めました。 「「位置について、よーい、どん!!」」 う:「あらかめさん、どうしたの?歩いてるの?うふふ、それじゃあ、お先にぃ!」 か:「フー、行ったみたいだな。後は、たぬちゃんうまくやってくれるかなあ?」 ● ● ● ● ● ● ● しょっぱなから軽快に飛ばしていくうさぎは、調子よくゴール付近まできました。そこでは、さらに濃いお化粧をして美容部員に化けたたぬきが待っています。 う:「うふふ。かめさん見えなくなちゃった。気持ちいいわねえ。ああ、風を切って走る私って素敵。でも、汗って私には似合わないわ。少し休もうかしら。」 た:「ちょっとそこのかわいいお嬢さん。」 う:「え?誰かかわいいお嬢さんって言ったかしら。」 た:「かわいいかわいいお嬢さん。ちょっとよっておいで。」 う:「きっと私のことね。何かしら?何か御用?」 た:「まあ!ちかくでみると、ますますかわいいわね。」 う:「嫌だわ、そんなホントのこと。もっと言ってぇ。」 た:「(全く、よく言うわね・・・)でも、もっとかわいくなりたいと思わない?」 う:「いいわよぉ。だってもう十分かわいいもの。」 た:「(まあ、どの口が言うのかしら)でも、ほーら、この化粧品を使えば、いまの十倍はかわいくなれるわよ。あなただったら、世界一かわいくなれちゃうかも。」 う:「ふーん、世界一か・・・いいわね。もう少しお話を聞かせてちょうだい。」 た:「(かかったわね)ほら、これなんかどうかしら。」 う:「どう?かわいい?かわいい?」 た:「こんなのもあるわよ。」 う:「まあ、素敵!」 ● ● ● ● ● ● ● か:「やったー。ゴール!」 う:「え?かめさん、いつのまに?もしかして私負けちゃったの?」 か:「♪はっつしょうりー」 う:「くやしい、くやしい、くやしいぃ〜、・・・けど、まあいいわ、一回くらい譲ってあげるわよ。」 た:「うさちゃん、ちょっと鏡を見て御覧なさい。」 う:「え?ちょっと何よ、この顔!・・・・・・なかなかいいんじゃない?イケてるわ。」 か:「え?」 う:「あら、よく見るとあなた、たぬちゃんじゃない。よかったら、もうちょっとお化粧教えてくれる?」 た:「あら、あなた、この美しさが分かるの?いいわ、もっと詳しく話してあげる。ついてらっしゃい。」 ってことで、大阪のおばちゃんもビックリの厚化粧が二人になりました。 か:「・・・こんなふたりに囲まれて遊ぶの嫌だよ〜」 ちゃんちゃん |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||