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 詩・散文 Side-A 101-120 

 101-120 タイトル

120 ほら
119 やさしさ抽出法
118 予想
117 そうぞう
116 待
115 待機
114 適応能力
113 ペット
112 変化
111 舌打ち
110 さり気なくしつこく
109 「好き」という言葉
108 初期化
107 オモイ
106 感謝に感謝
105 懐夢
104 音源
103 パパとママの絵本
102 クラシックCD
101 ジェンガ

 本編

120 ほら
ほら 勉強するんでしょ?
ほら がんばってよ

やればちゃんとできるコなんでしょ?
それは俺も知ってるよ
だけど切羽詰まんないとやんないんだよねぇ
それは君もわかってるでしょ?

それ終ったら遊ぶんでしょ?
一緒に遊んであげるから
ん?
そんなんじゃ励みになんないって?
こんなに愛がこもってるのに わかんない?
ハハ 
そんなこと言ってると会ったときにイジワルするよ?
俺のイジワルなんてたいしたことないって笑うんでしょ?
まぁ いいよ そういうことにしとくよ
覚えとけよ

やる気が出ないときとか 息抜きとか
電話してきていいからさ
やる気がでるように邪魔してやるから
ん?
なんかおかしいな
ま いっか

ほら 勉強しようよ
ちゃんと見といてあげるから 君のことは

ほら ほら


119 やさしさ抽出法
まず バファリンを大量に用意しましょう
多ければ多いほどたくさんの「やさしさ」が手に入ります

一錠ずつ取り出したら細かく砕いて
遠心分離にかけます
下に溜まったのが「やさしさ」です
そうです 「やさしさ」って意外に重たいんです

「やさしさ」をとりだしたら水分をとばします
ネバネバした「やさしさ」なんて嫌でしょう?

天日干しにすればあったかい「やさしさ」になりますし
フライパンで熱すれば熱い「やさしさ」になりますし
ドライヤーを当てれば乾いた「やさしさ」になります
お好みでどうぞ

お料理の隠し味にも最高ですよ?

あとは「やさしく」して欲しいときに
相手に飲ませるだけです
ただし「やさしさ」の表現方法は人それぞれですから
それをあなたが「やさしく」ないと感じても
相手の人を責めてはいけません

また「やさしく」なりたいときには
ご自分で服用してもOKです
ただし相手にわかってもらえなかったからって
怒ってしまってはいけません
それでは台無しです
それはただのおせっかいです


ウソだと思っているでしょう?
それなら一度試してごらんなさい?
いいキッカケになると思いますよ?


118 予想
俺は酷い人間なんです

だから哀しく笑って許すのはやめてください


117 そうぞう
創造すること
想像すること
そう 造作もないこと

受け入れること
解き放つこと

囚われないこと
拘ること

感じること
呼び覚ますこと

騒々しいこと
そう 造作もないこと


悩め 俺よ


116 待
「待」という字は
「侍」という字に似ているが

そんなに格好良く待ってはいられない未熟者の僕は
侍には似ていない


115 待機
待っている時間が

心地良かったり
苛々したりするのは

そのあとにある確かさの違いか


114 適応能力
拘りがないほうが
適応能力が高いと思うのですが

では その場合高ければ優秀かというと
そうではない場合が多くてですね


・・・譲れない思いを下さい


113 ペット
Loveではなく
Likeでもなく
Favoriteなんだって

なんだかペットみたい

たとえペットでも君の側にいられるのなら


112 変化
誰だって
自分を変える強さだけは持っているはずなんだ

この弱い僕でも


111 舌打ち
チッ
舌打ちする

チッ チッ
三歩あるくごとに舌打ちする

チッチッチッチッ チッチッチッチッ
連続で舌打ちしたら
小鳥のさえずりに聞こえないかしらん


110 さり気なくしつこく
許すということが諦めに似ていると
気付いてしまったら
なんだか何もかも虚しくなってしまったのです

だからってしつこいのも そうやって生きるのも
なんだか楽しくないような気がしまして

結局その折り合いで
さり気なくしつこいのがよいのだと思った次第であります

では それはどこにあるのかと
やさしさとは何かと考えてみましても
一向にわかりませんので
それを探して生きようかと思います


だけど死ぬときには全てを許して逝きたいと

だからそれまではさり気なくしつこく生きたいと


109 「好き」という言葉
「好き」という言葉が大事だと
わかってるような顔をしながら

言わなくなったり言えなくなったりしてから
改めてその意味に気付いたりして

いつも失ってから気付くのは世の常で

じゃあ 言っちゃえばいいじゃんって
そう思い切れないところが少しばかりの良心で

言ってしまったあとで苦笑いして疑って
やっぱりいい言葉だと思って

聞いているほうは笑顔になって疑って
やっぱりいい言葉だと思って


結局そんなことの繰り返しなのではないでしょうか?


108 初期化
どうやら僕は
いろんなものをインストールし過ぎて
不具合が生じているようだ

そろそろフォーマットすべきだろうか

さて
バックアップは何のログを残そう


107 オモイ
重いおもい
想いは重い?

おもいきって
想い切って

おもいあがって
想い上がって

切ないおもいで
あんな思い出

重い想いの
振り子作用に
おもいおもいに
揺れている


106 感謝に感謝
"うれしい"って思ってくれてありがとう
"ありがとう"って思ってくれてありがとう

忘れていたよ こんな気持ち
いつのまにか奢っていたのかもしれない
感謝されるのが当たり前だなんて


「"ありがとう"って思ってくれてありがとう」
って言ってくれてありがとう


105 懐夢
昔の恋人が夢に出てきたとき
みんなはどうするんだろう?

昔の恋人にあやまるのか
いまの恋人にあやまるのか

少しの幸福感と
少しの罪悪感に苛まれ

ただ
「あのとき僕は幸せだった」

感謝するべきなんだろうとは思う


104 音源
暖房は消したし
加湿器も
空気清浄機も消した

この目覚ましも五月蝿いから
電池を抜いてしまおう

あとは
なんか気になる
壁の時計も止めてしまえ



これでこの部屋にある音は
もうすぐかかってくる
モノラルな君の声だけになる

時計を止めた僕にもう怖いものはない

余計な考えが入ってこないように
片耳をふさいでまっているよ


103 パパとママの絵本
寝る前にお話を聞かせて


じゃあ 僕らの話をしようか
恥ずかしがることなんてないよ
大事なことだと思うんだ
こうやって確認をとること

当たり前になってしまうのは
とても怖いことだよ
お互いがずっと大切でいるために
ひとつひとつ
当たり前を数えてみようよ


順番にいこうか


はじめて会ったときのことを憶えてる?
僕はよくわかんないや
君をはじめて知ったのはあのときだったかな?
怒らないでね?
あのときこう思ったんだよ
・・・怒らないでって言ったじゃん

じゃあ 君はどうなの?
あっ ひどい ほんとに?
ほら おあいこじゃん

そしたら次は?
えっ 違うよ もっと前だよ
ほら あれ
うん そうそう なつかしいね・・・・・・

・・・・・・・・・

今日はこのくらいにして 続きはまた明日ね
ねぇ いつか僕たちに子どもができたら
この物語に絵をつけてもらおうよ
シリーズものにしてさ

僕らが死ぬまでずっと終わらない
『パパとママの絵本』


102 クラシックCD
あなたのコンポの隣に無造作に積んであるCDのなかに

クラシックCDが1枚

別に何も言ってないのに
わざわざなんで持ってるのかを
もっともらしく説明してくれたわね

私があなたに
それだけの影響を与えられなかったというだけなんだから
あなたがそんな風に感じる必要なんてないのよ?

でもね
少なくてもいまはその人より
あなたのことを知っているつもり

どうせ子守唄になっちゃうんだから

だからあなたの前でその話はしなかったの
私も結構好きなのよ?
知らなかったでしょう?

そんなもんよね


101 ジェンガ
あせらないで
あせらないで

そこを抜いたら崩れちゃうよ

わざと揺らして
バランスを崩して
お互いの表情を確かめ合って
相手があせるのを見て安心して

不安定な土台の上で 僕らの関係は高くなっていく

どこかでスキマを埋めないと そのうち崩れてしまうよ?

それとも「ただの遊びだから」と
一時の喪失感を笑いとばしてしまうのかい?


ひとつひとつ積み上がるたび
ひとつひとつスキマが増えていく

いまはただあせらないで
ジェンガのようなこの関係を




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